キミに幸せの花束を
どうしてだろう?


…それに、あの事本当に話してもいいのかな?


「俺の親父が初代総長で今は如月組の組長なんだ。それで佐伯組を潰すためにも親父たちを交えて話したいんだ」


類のお家、如月組だったんだ…


でもそういうことなら…


「大丈夫だよ」


「ありがとな」


そう言ってまた私の頭を撫でた。


やっぱり類に撫でられるの好きだなぁ…


ーガチャッ


気持ちよくてうとうとしていると急にドアが開いた。


「邪魔するぞ〜」


「なんも変わってねーな」


「忙しくてなかなか来れなかったもんなぁ」


「ホント何年ぶりだ?」


そう言いながらぞろぞろと入ってきた人たちを見ると4人のうち2人見覚えがありすぎて私は驚きを隠せなかった。


「え…理事長と先生……?!」


そこには私の通う星蘭高校の理事長と私のクラスの担任の佐藤先生がいた。


「おぉ!一ノ瀬が姫になったって噂は本当だったんだな〜」


「あ、はい…」


いつも穏やかな佐藤先生が暴走族だったなんて少し意外…


皆さんがソファに座ったところでぽつりと類のお父さんが呟いた。


「そういえば…もうすぐ信也の命日だな」


「あぁ…そうだな」


悲しそうにしている初代の方たちと皆。


「なんでこんなに早く死んじまったんだろうな…」


「副総長が事故で死んだなんて最初は信じられなかったよ」


"事故"


その言葉を聞いて思わず涙が零れた。


「恋莉どうした?!」


…涙が止まらなかった。


信也…神竜の初代副総長、森田 信也-モリタ シンヤ-は私のお父さん。


3年前の真実は私とあの人しか知らない。


真実はあの人にもみ消されてしまったのが悔しくて、悲しくてしょうがなかった。


でもこれ以上あの子を悲しませたくなかったから私も嘘をついた。



< 31 / 34 >

この作品をシェア

pagetop