エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
ーーあー、もう、布団が恋しくてしょうがない。
窪塚! 早くなんとかしなさいってばッ!
窪塚は動かないし、おバカな先輩たちがわーわー煩いし、布団が恋しいわで、とうとう焦れた私が窪塚に顎をしゃくって目配せしたらば。
窪塚も窪塚で、
『はぁ!? なんで俺がッ? 自分の取り巻きくらい、自分で何とかしろッ!』
そう思っているとしか思えない険しい表情を携えて、鋭い睨みを利かせてくる。
窪塚のふてぶてしい態度にカチンときたもんだから、
「ちょっと、窪塚ッ! あんたのせいでしょうがッ! さっさとどいてなんとかしなさいよッ!」
そう言って、窪塚にだけ聞こえるように潜めた声で訴えると。
ついさっきまで険しい表情を浮かべてたはずの窪塚が急に何かを閃いたような、そんな素振りを見せた。
なんだか妙な胸騒ぎというか、嫌な予感がする。
ーーな、何よ。その、したり顔は。気持ち悪いんだけど。
不信感を抱きつつも根拠もなく、ただただ訝しむことしかできないでいる私に、今度は何やら悪巧みを思いついたような厭らしい笑みを浮かべた窪塚が耳元で。
「いいこと思いついたから、じっとしてろ」
えらく得意げに、しかも偉そうに、言ってのけたものだから、ますます嫌な予感しかしない。