エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
自分は私の意思なんて完全無視で心の奥の深いところにまでズカズカと土足で踏み込んでくるクセに。
私には、踏み込ませてくれないどこらか、指一本たりとも触れさせてもくれない。
ーーそりゃそうだよね。
別に私たちは恋人同士でもない、ただのセフレでしかないんだから。
言いようのない寂しさと虚しさを覚えつつも、セフレでしかない私としては、身の程をわきまえて納得せざるを得ない。
……そんなことはよーく分かってるんだけど、心が追いついてくれないのだ。
さっきまでの勢いはどこかに消え失せシュンとしてしまっていると、そこに、いきなり窪塚の身体がガバっと覆い被さってきて。
「ギャッ!?」
不意打ちに驚いた私がもうお決まりとなった色気のない声を放つと同時。
「そんなに拗ねるなよ。自分のペースを乱されるのが嫌っていうのもあるけどさ、さっきみたいにまた我を忘れて暴走しそうでっていうのもあって、踏ん切れないって言うか。もともと、好きな女みたいに大事にするって約束だったんだしさぁ」
「……うん」
耳元で囁くように優しい声音でそう言って釈明してきた窪塚によって、頭をそうっと優しく包むようにしてぎゅっと抱き込まれてしまっていて。
すかさず宥めるようにして、繰り返し優しく頭を撫でられてしまい、窪塚の大きな掌や逞しい身体からぬくもりと一緒に優しさまでが伝わってくるようで、途端になにもかもがどうでもよくなってくる。