エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
そんななか、またまた真剣な面持ちの窪塚から、これまで耳にしたことがないくらいの真剣な声音が放たれた。
「俺、オープンキャンパスで、お前に初めて逢ったときに一目惚れして以来ずっと好きだったんだ。けど、意識するあまり上手く話もできなくて。そんなことやってる間に、藤堂とお前が付き合い始めて。それでもずっと諦められなくて、光石総合病院にまで追っかけてもきたくらい鈴のことが好きだ」
未だ茫然自失状態に陥っている私のことを窪塚は真っ直ぐに熱のこもった眼差しで見据えたまま必死になって、出逢ってからこれまでに至るまでの想いの丈をぶつけてきた上に。
「なのに、今まで意気地がないばっかりに、嘘を重ねて、嫌な想いばっかさせて悪かった。けど、これからは、絶対に辛い想いなんてさせない。一生かけて大事に幸せにしてみせる。だから、鈴、俺と、結婚を前提に付き合ってくれないか?」
ここぞとばかりに謝ってきて、再びそんな風に情熱的な言葉を向けられて、あたたかで逞しい腕の中に包み込まれてしまっては、ずっと窪塚に逢えなかったことで好きだという想いが募りに募ってしまってた私には、それ以上突っぱねることなどできそうになかった。
それでも、そんなこと今になって言われても、やっぱりすぐには信じられないし。
これまでのことを思えば、簡単に許せるわけがない。
画像で脅してセフレにされたとこで、窪塚への気持ちに気づいた私がどんなに苦しんできたか。
挙げ句に、あんな約束ひとつで急に逢えなくなっちゃって、どんなに辛かったか。
それでも、どうしても、嫌いになんてなれなくて、それでもなんとか吹っ切ろうとしてたのに。
ーーこれじゃあ嫌いになんかなれないじゃないかッ!
これまで抱いてきた様々な感情が一気に込み上げてくる。