エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
大好きな窪塚とは、もうずっとずっと離れずにくっついていたいくらいだ。
一刻も早くこの想いを窪塚と一緒に今一度しっかりと確かめあいたい。
そうして固い絆でしっかりとひとつに繋がりあっていたいと希ってしまう。
部屋に戻るまでの僅かな時間さえもどかしい。
私の頭の中は、そんな想いに埋め尽くされていた。
そんな私の心情を察してでもいるかのように。
窪塚は、不意に自身の広くてあたたかな胸に私のことを抱き寄せると。
「こんなふうに、鈴のことを抱きしめることができる日がくるなんて。なんか、今でも夢みたいで、いつか醒めてしまいそーで怖い」
苦しげな声音で、いつになくそんな弱気なことを言ってきた。
そして窪塚は、尚も私の身体をぎゅぎゅうっと強く抱き竦めてくる。
これまでの私なら、きっと、何弱気なこと言ってんのよ、バッカじゃないのッ! くらいのキツい一撃を放っていたに違いない。
けれども、もうずいぶんと窪塚のことを好きになっているらしい私は、そんな弱気な発言でさえも、愛おしく想ってしまっている。
だってそれだけ窪塚が私のことを想ってくれている気持ちの表れなのだから無理もない。