エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
そう思うと、なんだか可笑しくなってきて、ふっと笑みを零せば、窪塚も同じように微笑んでいて。
「一緒だね。メチャクチャ嬉しい」
「ああ。俺もメチャクチャ嬉しい」
気づけば私たちを取り巻く空気がより一層、甘いものへと移ろいでいて、私と窪塚は、どちらからともなく見つめあい、どちらからともなく口づけを交わしあっていた。
「……んっ……ふぅ……ンンッ」
やがて口づけは深まって、互いの舌を絡めあっているうち、身も心もすっかり蕩けて、立っていることさえままならなくなっていく。
いつしか私は、シックなスーツを着込んだ窪塚の広くて逞しい胸にぎゅっと縋るようにしがみついてしまっていた。
そんな私の身体を窪塚は逞しい腕の中に愛おしそうに、それでいてしっかりと包み込んでくれている。
無機質なはずのエレベーターの四角い空間には、稼働音を掻き消すようにして、二人の荒い息遣いと熱く甘やかな吐息と溢れくる唾液とが、混ざりあう水音で溢れかえっていた。