エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
堪りかねた私は、窪塚に向けて抗議の声を放っていた。
「////……そ、そんなに見ちゃヤダッ!」
「そんなこと言われても、見ないとちゃんと洗えねーだろ」
けれども、私の願いも虚しく、窪塚からは少し前に返されたモノと大差ない返事が返されてしまうだけだった。
どうやらこれまでの窪塚のドSっぷりは、セフレだったからではなく、あれが標準モードのようだ。
さっきまでは、なんとか耐えることができていたのだが、羞恥と浴室内の温度が高まっているお陰で、今にも逆上せてしまいそうで、どうしようもない。
少しの猶予もなかった私は、今一度大きな声で抗議を放った。
「自分で洗うって言ったのに。アンタが言うこと聞いてくれなかったんじゃないッ!」
けれど、これまで同様、ドSっぷりを遺憾なく発揮する窪塚は、聞き入れてはくれないだろうと、半ば諦めモードでもあったのだ。
それが、もう限界だと察知してくれたらしい窪塚がハッとした直後に、ぐったりとしている私の身体を大事そうにしっかりと逞しい腕で包み込みながらに。
「悪い。鈴の反応があんまり可愛かったもんだからさ。つい夢中になってた。ごめんな」
さっきまでのモノとは比べものにならないような、とびきり優しい甘やかな声音で耳元を擽られてしまっては、それ以上文句を言うような気なんて霧散してしまっていた。