エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
「ーーッ!?」
窪塚からも、ハッと息を呑むような気配を感じることもでき。
その瞬間、私の目尻からは透明な雫が零れ落ちていた。
この涙は、性的なものでもないし、勿論悲しいからでもない。
安堵したからでもあっただろうし、嬉しかったからでもあったのだ。
それを素早い身のこなしで足下から移動してきた窪塚がいつのまにか唇でそうっとなぞるように優しく拭ってくれていて。
「鈴、泣かせてごめんな」
えらくシュンとした声音が届いた。
さっきまであんなに意地悪だったクセに、全然容赦なんてしてくれなかったクセに。
そうは思ったりもするけれど、私の言動ひとつで、こんなにも右往左往してくれているのかと思うと。
ーー窪塚のことが愛おしくて愛おしくてどうしようもない。
「嬉しかっただけだってば。そんなことより、窪塚が欲しいの。今すぐ。ねえ、お願い」
「ああ。わかった。じゃーー」
「ヤダッ、待てない。今すぐ窪塚が欲しいの。お願い」
私のお強請りに驚きつつもすぐに応えようと当然のように避妊具の準備に取りかかろうとする窪塚を焦れた私は制してしまっていた。