エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
そうこうしているうち、眼前にチカチカと閃光がチラつき始めた。
それに伴い、意識が薄ぼんやりと白んでいく。
そろそろ終わりが近づいているようだ。
もう、終わっちゃうんだ。嫌だな。
このままもっともっと窪塚のことを近くで感じていたいな。
もういっそ、このまま窪塚と一緒に溶け合ってひとつになれたらいいのに。
窪塚の逞しい腕の中で、言いようのない寂しさと名残惜しさを感じつつ、私は強烈な快感に翻弄されていた。
そしてふと気づくのだ。
もしかしたら、あの、『なんだ、思ってたより早かったね』発言は、こういう気持ちの表れだったんじゃないのかと。
自分では気づいていなかっただけで、ずっと窪塚のことを好きだった訳だし。
そういう心情から、無意識に放った言葉だったと考えた方がしっくりくる。
といっても、記憶が残っていないので、確証など持てはしないのだが。
それにしても、処女のクセに、そんなこと言ってたなんて、私ってば、もう、本当に呆れてしまう。
でも、どうせ恥ずかしい想いをするんだったら、あの夜のことだけは、ちゃんと覚えておきたかったな。
何かのきっかけで、思い出せればいいのに。
恐ろしくタフで絶倫な窪塚によって繰り出される強烈な快感のお陰で、夢うつつ状態の私は、いつしかそんなことを思っていた。
すると、私のことを欲望にまみれた獣と化してしまっている窪塚がぎゅうぎゅうに抱きしめてきて。
「……鈴のナカ、気持ちよすぎてヤバいッ」
やっぱり余裕なく、そんなことを言ってきて、窪塚は私のことをそのままベッドに押し倒し、覆い被さるようにしてのしかかってくる。