エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
そうして、独り言ちるように呟きを落とした。
「これなら、まだ保ちそうだ」
余裕がないなら、私もソロソロ限界だし、無理せずそのまま終わってくれてもいいのに。
でもきっと、あの夜の私の発言が今も引っかかっているからなんだろうな。
窪塚の呟きを拾った私が、考えに耽っていた刹那。
窪塚が私の胸元に顔を埋めてきて、尚もぎゅぎゅっと抱きついてきた。
どうやらこのままなんとか達してしまわないように耐えしのごうという算段のようだ。
蕩けた頭でそんなことを思っていると、窪塚が胸の膨らみを両手で鷲掴んでむしゃぶりついてきた。
一瞬、意識が途絶えそうなほどの衝撃波と快感とに見舞われ、身体が大きく跳ね上がる。
けれど息をつく暇も与えないというように、腰を引いた窪塚が激しく攻め立ててくる。
「ーーあっ、ヤッ。あああぁんッ!?」
一際大きな快感の波に一気に頂点まで押し上げられてしまった私は、今日一番の高い嬌声を放ってしまっていた。
自分の放った嬌声を意識の片隅で捉えつつ、私の身体を力強く抱き込んだ窪塚が胴震いしながら吐精する感覚に尚も感じ入る。
痙攣した身体がふわふわしていて、このままぷかぷかと浮遊して、今にも昇天してしまいそうだ。
そんななんとも幸せな心地のなか私は意識を手放してしまうのだった。
ハッキリと覚えてないが、数分間ほど意識を手放してしまっていたらしい。
その時に、完全になくしてしたと思っていたあの夜の記憶の断片を思い出していたようだ。
というより、記憶の断片を映像としてチラッとだけ垣間見たと言った方が正しいかもしれない。
✧✦✧
『鈴、好きだ。りんッ……りん』
つい今しがた、私が絶頂を迎える寸前と同じように、映像の中の窪塚は、一心不乱に激しい抽挿を繰り出していた。
そして熱に浮かされたように私の名前と愛を紡ぎ出している。