エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
〜Epilogue〜
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窪塚のご両親への挨拶を終えて、鮮やかなオレンジから群青色へと移ろいゆく夕暮れの街並みを窪塚と一緒に歩いていた時のことだ。
勿論、私の手は窪塚の手によりしっかりと繋ぎ止められている。
セフレだったこれまでとは違って、正真正銘の恋人繋ぎだ。
だから私は非常に照れてしまっていた。
なのに窪塚ときたら、全然恥ずかしそうじゃない上に、隙あらばすーぐキスを仕掛けてくるのだ。
内心は嬉しく思いつつも羞恥に負け、私は可愛げのないことばかり言ってしまうのだった。
「////ーーあっ、ちょっと、窪塚。こんなところで何すんのよいきなりッ!」
「いーだろ、別に。口じゃねーんだしさぁ」
「////ーーそ、そういう問題じゃないでしょうがッ! もー信じらんないッ!」
「おいおい、待てよ。そんなに怒ることねーじゃん」
「////ーーだ、だって、アンタが急にほっぺにチューなんてするからでしょ!」
「そんなに怒るなって。お前とこうやって手繋いで歩いたりするのが嬉しくてしょうがなくてさ。可能なら、すれ違う一人一人に、俺の彼女はこんなに可愛いんだぞって、見せつけたいくらいなんだからさ。これくらい大目に見ろよ」
「////ーーみ、見せつけるって。バッカじゃないのッ!」
「けど、そういう俺のことも、満更でもねーんだろ?」
「////ーーもーヤダ。知らないッ!」
そうしていつものように、本格的にむくれ始めた私のことを相変わらずメチャクチャ嬉しそうにぐっと距離を詰め、窪塚は蕩けそうな甘い眼差しで見つめてくる。
「な、何よ?」
「否、照れてる鈴がメチャクチャ可愛いなーと思ってさ」
「////……バッーーんん〜〜ッ!?」
本当は窪塚との時間を楽しみたいし、もっと可愛くしたいと思っている。
それでも可愛げのない私はムッとしてしまうのだ。
そんな私の性質を長い付き合いである窪塚は、知り尽くしているらしく。
いつもの強引さを遺憾なく発揮してきた窪塚によって、可愛くない私は、優しいキスで簡単に黙らせてしまうのだった。
それを嬉しいなんて思ってしまう私は、窪塚のゴッドハンドによって、既に窪塚の色に染められているに違いない。
もう一生かかっても元の色に戻ることはないはずだ。
きっと永遠にーー
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〜Fin〜