エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
そうとしか思えなくて、盛大にムッとむくれてしまった私が奥歯をギリと噛みしめて、窪塚めがけて刃の如く尖った視線を放ち、射貫くように睨み上げると同時。
「第一、俺にはイチイチお前のことおだてる必要なんてねーし」
これまた要領を得ない言葉が窪塚から返されて、私は条件反射的に視線同様の強い口調をぶつけたのだが。
「ちょっと、窪塚。さっきからなんなのよ? 言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよッ!」
私の切った啖呵を訊くや否や、腹が立つほど整った顔に、何やら意味ありげにニンマリとした厭らしい笑みを湛えた窪塚から、腹立たしいくらいにあっけらかんとした声が返された。
「ハッキリ言うも何も、ちょっと考えれば分かることだろ? お互い秘密を共有してる訳なんだからさ、それをバラされたらマズイってことくらい」