エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
「そんなに浮かない顔することないだろう? 学生の頃から敵視してきた嫌いな俺のことなんて、利用すればいいだけのことなんだからさぁ。そうしてくれたほうが、俺も、遠慮なくお前のこと利用できるし。
さっきお前も言ってたじゃん。恋愛なんて必要ないって。俺も、もうあんな想いするのなんて懲り懲りなんだわ。
だって俺ら医者にとって、一瞬の気の緩みで重大なミスにだってなる可能性だってあるんだしさ、恋愛なんて邪魔になるだけだろ?
その点、俺らだったら、恋愛に発展する心配だってないだろうし」
そのうち、あたかも私のことを唆すようにして、ありとあらゆる言葉でもって畳み掛けてきたのだけれど。
窪塚が最後の最後に放った、
「まぁ、お前が俺に惚れそうだって言うんなら、諦めるけどな」
この言葉に、電光石火の如くカッチーンと頭にキテしまい。
とうとう黙っていられなくなってしまった私は、後先考えずに啖呵を切ってしまっていて。
「誰があんたみたいなクズなんて好きになるもんですかッ! 寝言は寝て言えって何度言ったら分かんのよッ! このクズ男ッ!」