エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
故に、入院前カンファレンスのように、医者だけでなく、コメディカル(医師以外の医療従事者)部門の職員を交えての、治療方針に関する諸々を話し合う場では、『オペは身体の負担にもなるため投薬で経過をみよう』という内科側の主張に対し、『オペしたほうが早いし確実だ』なんだのとゴリ押しされたりと。
オペを取り仕切る外科医の発言が少々高圧的だったり、傲慢なモノに聞こえてしまいがちだ。
そのため、こちらからすれば、外科医に見下されてる感が否めない。
そんなことから、今日もちょっと外科医の発言が鼻についてしまっていたために、憤る彩の言葉に便乗してピカリンの陰口をたたいてたはずが、いつしか恋バナになってしまってる。
しかも、それが窪塚のことに関してだったために、内心穏やかじゃなかった。
それもそのはず、窪塚と表面上のカレカノになってからというもの、彩や同僚らに事あるごとに、『そうなんじゃないかと思ってた』だの、『意識しあってた』だの、散々言われてきたのと。
自分には窪塚に対して好意なんて微塵もなかったのとで、近頃では。
――もしかして、窪塚って私のこと好きだったりするのかな?
という可笑しな仮説が幾度となく浮上してくるもんだから、なんだか余計にモヤモヤとしてしまっていたせいだ。