エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
ーーでも普通、好きな人を画像で脅したりする?
しないよね。そんなことしたら嫌われるだけだし。
だとしたら、やっぱり私と一緒で好意じゃなく、気が強くて可愛げのない女だって疎んでたのが、周囲には意識してたように見えてしまったのだろう。
そうやって幾度となく、自分に言い聞かせていた。
そういう時に限って、どういう訳だか不意に、窪塚に欠点を見抜かれた時の光景が脳裏に浮かんでくるのだ。
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あれは、ちょうど三年前。
研修医になったばかりの、梅雨に入ってすぐの頃だった。
初期研修中、だいたい一月から三ヶ月ごとのローテーションで様々な診療科を渡り歩くのだが。
急性期病棟の救命救急センターでの研修の際、運の悪いことに窪塚と一緒だった。
その時に、ちょっとしたアクシデントがあって。
それ以来、窪塚のことを今のように敵視するようになった。
その頃の私は、まだ外科医を目指していたのだが、ある不安材料があって、それをなんとか克服しようと必死だったにもかかわらず、一向に克服の兆しもなく。
スタートラインが同じだったはずの窪塚との差は開くばかりで、焦りもあったのかもしれない。
それに加えて、一刻を争う、緊急性の高い患者の受け入れに追われる慌ただしい現場のピンと張り詰めた緊張感も相まって、私は少々テンパり気味だった。