堂くん、言わないで。
こじらせシンドロームと恋の病
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そうして、あっという間に休みは明けて────
わたしは全校生徒の女子から敵対視されていた。
理由はかんたん。
“光の王子”と“闇の王子”をたぶらかしたから。
ひとつ、堂くんと歓楽街の近くを歩いているところを同じ学年の女の子に見られた。
ちなみに闇の王子とは堂くんのことで、その冷酷さが女の子たちのエムな心を刺激するらしい。
わたしはあの日、ぼこぼこに打ちのめされたけど。
もうひとつ……たぶん、こっちのほうが影響力が大きい。
棗くんと夏祭り会場にいたことが噂にあがったのだ。
もちろんわたしもちゃんと対策はした。
いくら廃人のような生活を送っていたとはいえ、前日に『棗くんと夏祭りにいく危険性』を考えていなかったことを思い出し、すぐに後悔。
そしてどうすればいいか足りない頭をフル回転させた結果が、お面という一枚の変装だった。