堂くん、言わないで。
「報われないよ」
「わかってる。それでもいい」
言葉でいいながら、一瞬、打ちのめされそうになった。
がんと頭を鈍器で殴られたような。
ぐっと踏ん張るようにして棗くんを見つめ返す。
「堂くんの傍にいられるだけで幸せだから……」
言いながら、胸がぎゅっと苦しくなる。
じわりと広がる熱いものに、むせかえりそうになった。
「向こうからもう要らないって言われるまで、わたしは堂くんと一緒にいたい」
目のふちが、瞼の裏が、鼻の奥が。
身体のぜんぶが熱かった。
熱くて、あつくて。
どうしようもなく身体が“つめたさ”を求めていた。