堂くん、言わないで。
こうして一緒にいてくれるのも、キスをしてくれるのも。
ぜんぶぜんぶ、わたしの体温を求めているからなのに。
どうしても勘違いしてしまうんだ。
ばかみたい。傲るにもほどがある。
ここまでずるずるしがみついてきたのはわたしなのに。
「もう、堂くんと一緒にいたくない……っ」
あまりにも身勝手な自分の行動に辟易さえしてしまう。
堂くんもきっと呆れただろう。
そんな奴こっちから願い下げだ、って。
そう言われてもおかしくはないはずなのに。
「俺のこと嫌いになった?」
「っ……!」
まさか、という声はどうしても出なかった。
いや、出したらいけなかった。
首をよこに振りたいのを我慢して、ぐっと下を向く。
そんなわたしの頭上から落ちてきたのは、低くて落ち着いた声だった。
「もしそうじゃないなら……まだ一緒にいたい」