堂くん、言わないで。
アイオライトの告白
*
本格的な冬がやってきた。
わたしは窓際のいちばん後ろの席だった。
換気のために休み時間のあいだは開けておけ、と先生から言われていて。
そのとおりにすこしだけ開けていた窓が、1日かけてわたしの身体を冷やしたらしい。
「うう~ざぶい……」
「だってみくるちゃん、ずっと震えてたよ」
となりの席は棗くん。
わたしが寒さに耐えているのを、ずっと面白そうに観察していた。
薄情だ。
「帰る」
「今日もひとりで帰るの?」
「好きでひとりで帰ってるわけじゃないもん!」
棗くん、最近なんだか意地悪だ。
前よりもずっとわたしのことからかってくるし。
でも良いように言い換えたら、壁がなくなった。
いろいろあったけど、友だちとして良好な関係を築けている気がする。
……そう思ってるのはわたしだけかな?