堂くん、言わないで。
ロイヤル・すとれーと・フラッシュ!
*
「なんだ、安藤ひとりか?」
お弁当を食べていた現国の先生が、わたしを見あげて怪訝そうに眉を寄せた。
お昼休みの職員室はまるで教室のようにざわざわしている。
そんななか、ぽつんと立っている自分だけがひどく浮いているように感じて。
わたしはここでも浮いてしまう存在なのか、と。
ひそかにショックを受けた。
「量があるからもうひとり連れてこいって言ったはずだが」
言うとおりにしなかったわたしを若干責めるような口調だった。
「だ、大丈夫です。わたし結構力あるんで、ひとりで持っていけます」
先生はそうか、とも、そうか?ともとれるような反応をしたあと、デスクの端に積んであったクラス分のノートを指し示した。
「じゃあ頼んだぞ。重いから気をつけて運べよ」
「わかりました」
山積みのノートを持って、職員室をあとにしようとしたときだった。
「待て。それだけじゃなくて」
「はい?」
「その横にある問題集も」
「……え」
愕然としたわたしに、先生はそれ見たことかという顔をした。