スティンガー 〜危険な香り〜
『……はあ。』


誰とも付き合う気がないので
今回も断ろうと考えていた。


「いま断ろうとか考えてたでしょ!」


『…………………。』


「麗はかなりモテるのに
なんで彼氏作らないの?
もったいない。」


郁美の質問に
言葉が直ぐに出てこなかった。


『………面倒。』


「うわでたそれー!
前の男に浮気されたくらいで
臆病になりすぎだからー!

まだ学生なんだよ!10代なんだよ!
気楽にいこうよー。」


痛いところをつかれた。
思い出したくない辛い記憶が
麗の脳裏にちらついた。
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