スティンガー 〜危険な香り〜
固まった身体は
なかなか言うことを聞かない。
"危険"だと分かっていても
"逃げないと"と思っていても
足が縫い付けられたように
びくともしなかった。
ゾクッ!
聖は目を見開き
ニヤリと口角をあげた。
"逃げないと!"
そう思いゆっくりと後退りをした。
『ッ!』
逃げるタイミングを伺っていたら
聖に腕を捕まれてしまった。
『…は………なして。』
喉からは掠れた声しか出なかった。