スティンガー 〜危険な香り〜
"何かあったら誰かに連絡しろ"


淳宏の言葉が頭によぎった。


捕まれていないほうの手で
スマホをポケットから取り出し
急いで着歴を開いた。


『あッ!』


しかしあっという間に
昭平に奪われてしまった。


「ダメだよ誰か呼んじゃ。
せっかく拉致った意味ないじゃん。」


昭平は麗から奪った携帯を持ちながら
ニヤついていた。


助けなど来ない絶望的な状況だった。


「助けを求めるならさあ…
俺にしてよ。好きなんだよ。
ずっと…ずっと好きなんだよ!!」


『ッ!痛いッ!』


聖は麗の肩を掴み壁に押し当てた。
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