スティンガー 〜危険な香り〜
「おい聖。盛んなよ。」
伊藤がニヤニヤしながら
様子を眺めていた。
「どうしたら分かってくれるんだよ。
付き合ってた男に脅しかけて
別れさせたのに!
どうして
俺に気づいてたくれねえんだよ!!」
聖の言葉に
麗の頭がフリーズしてしまった。
『…先輩に…何をしたの?』
「あ?
別れろって嫌がらせしたんだよ。
別れるまで毎日付きまとって。
別れてからも
麗に接触しないように根回ししてたら
あいつ家から出なくなってさ。
うけるだろ。
麗は俺の物なんだから当たり前だろ。」
"気持ち悪い"
目の前の男にそう強く感じた。