スティンガー 〜危険な香り〜
ゾクッ!


今まで聞いたことのない
地を這うような低くて憎悪に満ちた
声色が二人から発せられた。


「………最近駅で一緒にいた奴か!」


聖は目が血走り
麗に対しても憎しみの感情を
ぶつけているのが感じ取れた。


『…………………。』


昌行に何かあったらと思うと
それ以上は何も言わなかった。


「なあ…今度はあいつか?
あいつを潰せばいいのか?

そしたら俺を見てくれるのか?」


『………………。』


麗は何も答えなかった。
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