スティンガー 〜危険な香り〜
「連れが駅前でバイトしてるのも
本当の話。
駅前に佑介の事務所があるから
しょっちゅう駅にいるんだよ。」
『…たまたまじゃなかったんだ。
なんであの時助けたの?』
何故助けたのが自分だったのか
何故あのタイミングだったのか
麗は知りたかった。
「麗が良く絡まれてたのは知ってた。
いつも上手く交わしてたから
佑介と感心してたんだよ。」
昌行は少し笑いを含みながら
話し始めた。
「だけどあの時はちょっとな…。
お前の悲痛な顔みたら…
身体が動いてた。」
話している声が
だんだんと小さくなっていった。