スティンガー 〜危険な香り〜
「屋上に連れていかれた時も
直ぐに助けてやりたかった。
でも…
トドメをさす証拠を揃えろって
佑介と淳宏にすげえ止められて…。
里奈を行かせてあるから
心配すんなって言われて。」
背中をさする昌行の手が止まった。
「直ぐに助けてやれなくて
本当にすまない。」
弱々し声が部屋に響いていた。
麗は身体をおこし
昌行を見つめていた。
『…私。まだ昌行さんの口から
…聞いてないです。』
麗は顔を真っ赤にしてそう言った。
それを見て昌行は
何の事を言ったのか察した。