スティンガー 〜危険な香り〜


『まあ聞けよ。

モデルやっててさ楽屋行くと
当たり前のように衣装があって
当たり前のようにヘアメイクされて
当たり前のようにカメラに撮られてって
何の疑問も持たなかったんだ。

でも…
俺一人の為にこれを準備するのに
どれだけの人間が
関わってるんだろうって思ったら
そっちの仕事に興味持ったんだ。』


「あっくんらしいね。」


『裏方の仕事をしてみたいって
事務所に話したら
代わりのやつ連れてきたら
考えてもいいって言われてさ。

初めてスカウトしたよ。

俺はスカウトされた側だったから
その時スカウトする人の気持ち
すげえ分かった。

声かけてもなかなか話に
食いついてくれなくて
路肩に座って落ちてたんだ。』
< 201 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop