スティンガー 〜危険な香り〜
女は麗につかみかかってきた女の子に
とても冷たい目を向けた。


「あんたに相談しなければ
こんな事にならずにすんだんだね。」


笑顔を浮かべていた。
凍てつくような笑顔を…。


「…あ…たしは…。ただ…」


「人の男取っといて。
自分の元から離れたら人のせいとか
都合よすぎだから。」


しどろもどろに答えようとする女の子を
他の友達は睨んでいた。


そして女は
真っ直ぐに麗を見つめてきた。


「麗さん…ですよね。」


名前を呼ばれてドキリとした。
とっさに横にいた昌行の服を掴んだ。
< 29 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop