スティンガー 〜危険な香り〜
「…あの。着きました。」


それはあっという間の時間だった。
駅から結構歩いてきたはずなのに。


『…ああ。』


女との別れが寂しいと思うのは
初めてだった。


「…ありがとうございました。
何かお礼が出来ればいいんですけど。」


麗が困った顔で俺を見つめていた。


『……じゃあ。連絡先交換して。』


そう言って俺が携帯を出すと
麗の表情が明るくなった気がした。


麗も同じ気持ちだったら嬉しい。


連絡先を交換し
麗が部屋に入るのを確認してから
来た道を戻って行った。
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