本の話なんかじゃない!!
「ここのしのぶれどっていうのは…」

約束どうり、いま国語を教えていた

魁人くんはほうほうと頷いている

百人一首は結構好きだ

短い文に秘めた気持ち

それを読み解くのは難しいけど、読み解けると何とも言えない気持ちに包まれる

「そういえばさ…4巻なに書くの?」

休憩時間になってクッキーをばくばく食べながら魁人くんが聞く

「修学旅行にするつもりだよ」

ふ~んと次のクッキーをつまみながら相槌をしている

「あとさ…あの休み時間にきてたあいつ誰?」

あいつ? あいつ…?

あ~

「土屋くんのこと?図書委員会の後輩だよ」

興味なさそうに返事をする

興味ないんだったら聞くなって

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