悪魔の鬼ごっこ



何を笑ってんだ?と思って睨みつけるように、浮気女を見つめれば、その視線と絡み合う。

それは勝ち誇ったように細められていた。

「彼女しゃんがぁ、そんなんだからゆうくんに相手にされないんだよぉ?誰でも暴力彼女しゃんは嫌だもんねぇ」

「あ?」

彼女"しゃん"も気になるけど、今はそれどころじゃない。

コイツ、

「それにぃ、ゆうくんも言ってたよぉん?メスゴリラって」

完全に私をバカにしている。

「ていうかメスゴリラって言ってんの、私のこと」

「い、いや、それは言葉のあやデス」

否定しないところがむかつくが、まぁいい。

今のむかつく優先度は浮気女の方が上だ。



< 14 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop