悪魔の鬼ごっこ
「あんまりバカにしていると、痛い目見ますよ。彼らはこの辺りを支配している有力暴走族。逆らって普通に生活している人を、僕は見たことがありません」
「ま、マジで…?」
そんなにやばい奴らなのか。お口には気をつけないと。
でも、そんな暴走族と関わる機会なんて無いはずで、なんでこの学校にいるのかは知らないけ─────
「麻衣っ!!」
勢いよく教室の扉が開き、私の名前を呼ぶ彼。
ここまで走ってきたのか、なぜか汗ダラダラの雄飛だった。
「どしたの?そんなに慌てて」
昨日といい今日といい、慌ただしい奴だなぁ、なんて呑気なことを思いながら、肩で息をする雄飛に近づく。
するとガバッと勢いよく私の肩を掴む雄飛は、こう言った。
「青龍の奴らが、俺たちを探してるんだよぉぉおおお」