陽だまり笑顔の君に



「俊でいいですよ♪」


なんだかちょっと楽しそうな顔で
私にそう告げる



「それじゃ、俊くんって呼びます。」



「はい!この間も借りに来てましたよね?」



「あ…あの時の事…覚えてたんですね」



「もちろんです!菜々ちゃん可愛かったので♪」



「あはは、ありがとうございます」



俊くんのお世辞に軽く笑うと
膨れっ面をして


「菜々ちゃんが照れてくれなーい」



と、不貞腐れた。



しょうがないじゃない…
言われ慣れてるんだもの。
私の外見だけしか興味ないような
男達に山ほどね。



「それじゃあ、私は…」



「あ、菜々ちゃん!俺もうすぐバイト終わるから一緒に帰ろ!店前で待ってて!」



私が目的のものを探そうと
言葉を発した瞬間



それを遮って半ば強制的に
約束を取り付けスタッフルームに
去っていったーーーーーー。



はぁ…やっぱり変な人。
まあ、帰る場所は同じだし別にいいか…

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