陽だまり笑顔の君に



目的のものを借り終えた私は
言われた通り店前で待っていた。



「菜々ちゃん!」



ウィーンと自動ドアが開いて
中から勢いよく俊くんが出てきた




「お疲れ様です」



「ありがとうございます!ちょっと遅くなってごめんなさい」



申し訳なさそうに
顔の前で手を合わせる彼



律儀なのかな?
別に気にしてないのに。



「大丈夫です、帰りましょう」



私はニコリと笑うと
先に歩き出したーーーーー。



ーーーーーーーー



アパートまでの間
俊くんがいろいろ
話していたけど



あまりよく覚えてない。



あまり知らない人と
関わるのは本当に疲れる



特に男は。



「それじゃ、また」



「待って!!」



アパートに着き
自分の家に入ろうと
ドアノブに手を伸ばした瞬間
引き止められたーーーーーーー。



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