陽だまり笑顔の君に


「仲いいんだね」


私の言葉に俊くんがいち早く反応する



「まあ、裕也とは小学生からの仲だし、高校では結構いろいろあったしなぁ…アホな裕也目を盗んで内倉に告白したりとか?」



「うそ、優亜マジで?まさか俊くんに告白されてるとは…」



「む、昔の話だから!」



「まぁ、こっぴどくフラれたんですけどね」



ちょっと拗ねたように
口を尖らせる俊くんに



「ざまぁねえな」



悪魔のような笑顔を見せる紀田さん。



私の知らないところで
私とは別に彼等にも
物語があって…



いろいろな体験をしている



けれど出会って間もない私には
そんな隙間に入る余地もなくて



どこにいたって心はずっと
ひとりぼっち。



地元にすら友達はいない
自分のせいなんだけどーーー。



「まぁ、でも…」



そんな負の感情を
漂わせている中



突然グイッと引かれ
抱き寄せられる



「今は菜々ちゃんいるんで♪」



ーーーーーーーーーーー!?!?!?

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