陽だまり笑顔の君に



「え?」 「は?」


と拍子抜けした顔で
優亜と紀田さんが
私たち2人を凝視する



「ちょ、ちょっと!」



慌てて離れようとしたけど
ガッチリと抱き寄せられていて
離れることができないーーーーー



俊くん一体どういうつもり!?




「え、ちょっと菜々!羽麻くんと付き合ってるなんて聞いてないよ!?」



優亜がイスから立ち
前のめりになって
食い気味に聞いてくる



「あ、えっ!?ちょっと私たちは別に…」



否定の言葉を述べようとした矢先



「あー、付き合ってないけど俺の片想い♪」



俊くんが私の言葉を
遮って無邪気に笑う



「か、片想い!?」



驚いて声が裏返る
だが恥ずかしいとか
思っている場合ではない



「待って、なんで?いつから!?」



「ひーみつ♪さぁ、さぁ、俺の事なんかよりさっさと打ち合わせを始めましょう」



都合が悪くなったのか
なんなのか知らないけど
手をパンパンと叩いて
打ち合わせの話をし始める



信じられない!!
なんて自分勝手なの!?



腹立たしくなって
怒鳴りそうになったが



優亜と紀田さんが
心配そうな顔で
俊くんを見ていたから



何も言うことができなかったーーー。
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