陽だまり笑顔の君に
「ごめっ…な…さい。勝手に…涙が…」
「もーしょうがないな。」
そう言って指で私の涙をすくう。
その指先はとても優しくて
思わずドキッとした。
「今でも好きなの?」
「うーん、好きじゃないっていったら嘘になるかな…?おちゃらけてるように見えるかもだけど……いまだに彼女を思って泣いたりするし。だけど…さっきの言葉は嘘じゃないよ」
唐突に引き寄せられ
両肩を掴まれる
「さっきの…?」
首を傾げる私に真剣な顔で
「菜々ちゃんに片想いってやつ」
ドキンッ
陽だまりのような微笑みに
吸い込まれてしまいそう
「どうして私なの?」
「似てるんだよ…亡くなった夏海に。」
なみさん…
名前もちょっと似てるのね
「ひと目みたとき夏海に似てて、ドキドキして、でも、それは夏海に似てるからだって思ってた。
けど、夏海とは全然違くて。話し方や仕草も何もかも全て違うのに、何故か可愛いって思った。この人のこと知りたいって…
夏海に似てるからとか関係なく、青葉 菜々っていう純粋で綺麗な目をした人に…恋したんだ」
なんの偽りもなく迷いもない
澄んだ瞳で私を見つめる
お願いやめて気づかないで
私の汚い心に。
私は、そんな綺麗な人間なんかじゃない。