陽だまり笑顔の君に
その翌週からの
収録は散々だった。
どうしても兄を思い出して
思うように芝居が上手くいかず
桜庭さんを怒らせるわ
紀田さんや俊くんに
迷惑かけるわで
本当…何してるんだろう。
「菜々……大丈夫?」
「優亜…今日は本当ごめん…」
とりあえず今日は解散
ってなったあと
いつものファミレスで
優亜とお茶をしていた。
心配そうな顔をする優亜を見て
すごく申し訳ない気持ちになる。
絶対成功させなくちゃいけないのに…
なんで、このタイミングで
お兄ちゃんが現れたの?
「羽麻くんから少しだけ話聞いたけど…菜々お兄ちゃんいたんだね…」
「う、うん…」
「なんか…その頃から菜々の様子がおかしいって凄い心配してたよ?お兄さんと喧嘩でもしてるの?」
やめてよ…
今お兄ちゃんの話なんか
しないで欲しい
優亜には関係ないじゃない
「私も弟いてさー、よーく喧嘩するけど…兄弟喧嘩なんてすぐ仲直りできるから大丈夫だよ!!心配しなくても…」
「うるさい!!」
気づいたら申し訳ない
気持ちよりも苛立ちが
勝っていて思わず怒鳴る
「…な、な?」
目を見開いて驚く優亜を
視界に入れても私の溢れ出した
黒い感情は止まることなく
「優亜に何がわかるの!?私のこと何も知らないくせに勝手なこと言わないでよ!!……いいよね、優亜は。1番大好きな人の近くにいれて…愛してもらえて。」
酷い言葉を浴びせる。
違う…違うの。
こんなことが言いたいわけじゃない 。
ほんとどうかしてるよ…。