陽だまり笑顔の君に
「菜々……ごめん」
しゅんとした顔で俯く優亜に
いたたまれなくなって
「ごめん…私帰る」
逃げるようにその場から
走り去ったーーーーーーーーー。
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アパート付近まできたところで
「菜々…!」
誰かに呼ばれて顔を上げる。
「え…お兄ちゃん?」
その目の前の人物に
今の悩みの種に
一瞬、思考回路がフリーズする。
「菜々?」
固まったまま動かない私に
近づき首を傾げ覗き込む兄
「あっ、えっと…1週間ぶりだね…。どうしてうちのアパートわかったの?」
ハッとして慌てて言葉を
紡ぐ私に兄は不思議そうな
顔をしながらも
「菜々の事なら何でも知ってるよ」
すぐに優しく微笑んだ。