陽だまり笑顔の君に



「あ、ちゃんと持ってるよ」



「そう……。だけど連絡くれなかったよね?」



「ごめん……久しぶりすぎてなんて送っていいか分からなくて……」



ほんとは違う。


連絡なんてこれっぽっちも
送る気なんてなかった。


ただでさえ、兄に会ってから
精神が不安定すぎていろんな人に
迷惑かけていると言うのに……。



「そっか」



素っ気なく返ってきた一言。
だけど、兄は再びニコッと
いつもの笑顔に戻り



「これからは、気にせず何でも言ってきていいからね!!今は近くにいるし、菜々が困ってたら必ず助けに来るから」



また私の頭を撫でる。



やめてよ!!!
彼女いるくせに優しくしないで!!



そうは思っても、口から出ることも無ければ
その手を払い除けることすらできない……



私にだって新しい彼が出来た。
認めてもらえる普通の健全な恋


だけど……



やっぱり私はまだ兄のことが
全然忘れられてないみたいだ



現に、今日みんなを怒らせて
優亜まで傷つけてしまったのが
何よりの証拠でーーーーーー。



気にしてなかったらこんなに
動揺なんてするわけないもの。
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