陽だまり笑顔の君に



「あ、こんにちは……」


「大学で待ち伏せしちゃってごめんね?ちょっと君と話したくて」


そう言って微笑む那桜さん。
話しって……俺に?



「わかりました。近くにカフェあるんで」


先に歩き出した俺の後を
那桜さんは、ただ静かに着いてきた。



その静けさがやけに恐怖を煽る。



カフェに入り席に案内され
俺と那桜さんは腰掛けると



「何かいる?奢るよ」


再び優しい笑顔を向ける。
だけどその笑顔が逆に怖い。


「あ、すんません……。えっと……コーヒーで」



俺が、しどろもどろに答えると
那桜さんはウェイトレスに注文する。



コーヒーが来るまでの間ずっと
無言の状態が続いて



「ねぇ、羽麻くん。今の菜々ってどんな感じかな?」



那桜さんがコーヒーにミルクを
混ぜた直後、静かに口を開いたーーーーーーー。



「えっと、どういう意味ですか?」



「ごめんごめん、言葉足らずだったね。菜々、昔は俺にべったりで友達を作ろうとしなかったんだけど、今は友達いるよね?もしかしたら俺の知らない菜々の話を聞けるかなって」



「あ、そういう……。てか、本人に聞いた方が早くないっすか?」


俺にそんな事を聞いてくる
意味がわからない。


菜々のことを知りたいなら
菜々本人に聞けばいい。


ましてや兄なんだから尚更……。
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