陽だまり笑顔の君に
上書き
*上書き*
※ 菜々視点
俊くんに励まされたあの日から
ちょっとだけ落ち着きを取り戻して
なんとか初仕事は成功を収めた。
優亜にも、迷惑かけてしまった
紀田さんや桜庭さんにも
ちゃんと謝罪をすると
桜庭さんは、俺もちょっと言いすぎたと
バツが悪そうに笑ったーーーーーー。
それから数ヶ月……。
季節はすっかり秋に染まり
辺りには紅葉やいちょうが
散りばめられてる10月
俊くんと付き合い初めて
3ヶ月が経とうとしていた。
兄とは、あれからちょっとずつ
ラインをするようになり
少しずつ自然な対応が出来るように
なってきている気がする……。
「なーなっ」
突然、名前を呼ばれ
後ろからぎゅーっと
抱きしめられる。
「俊くんどうしたの?」
時には子供みたいに甘えたり
時にはドSに攻めたり
この3ヶ月で俊くんのいろいろな
顔を見れて、毎日が楽しい。
そしてそれを実感する度に
自分の心がちゃんと
俊くんに向いてるのだと
認識していくーーーーー
ーーーーーーだからこそ
兄との過去がバレるわけにはいかない。
この過去は封印しなくてはいけない。
「3ヶ月記念日なにする?」
「そういえばもうすぐね。俊くんは何がしたい?」
「え?そりゃ菜々とエッチなこと……」
バシッ
急にドS丸出しのニヤつき顔で
迫り来る俊くんの頭を軽くパシッと叩く。
「ふざけてないで、真面目に答えなさい」
「いや、いたって真面目だけど?」
その変態丸出しのニヤつき顔の
どこが真面目だと言うのだろうか……。