陽だまり笑顔の君に


借りたいDVDを数枚手に取り
レジまで持っていく



「これ、お願いします」



「は、はい!」



私がDVDを手渡すと
目の前の彼はぎこちなく
バーコードで打ち始めた。



見かけない顔だ。
新人だろうか。



チラッと表札をみると
羽麻と書かれていた。



まあ、特にそれ以外は気にもせず
入れ物に包まれたDVDを受け取って
私はその場を後にしたーーーーーー



ーーーーーーーーーーー



家につきドサッとベッドに座る
田舎から東京で一人暮らしを始め
仕送りはされてるものの
なんとか1人で頑張っている。



とりあえず…夕飯の支度しよ



そう思って冷蔵庫を開けるが
中はすっからかん。



「あ、昨日使い果たしたんだった…」


はぁっと深い溜息を漏らすと
仕方なく買い物へ行くべく
家を出たーーーーーーーー。



近くのスーパーで買い物をして
重い荷物を両手に下げる



こういうとき…お兄ちゃんがいてくれたら…



そこまで考えて私は
首を横に振った



思い出しちゃダメだ…
兄から離れる為に私は
東京(ここ)へ来たのだからーーー。

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