陽だまり笑顔の君に



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「よーし、じゃあ行きますか」


今日は待ちに待った3ヶ月記念日。
別に普段からデートしてないわけじゃないけど
特別な日だからか……いつも以上にドキドキする。



電車を乗り継いで横浜まで向かう。



「あ、そういえば……私たちで作ったあのゲーム、まさかの商品化するみたいよ」



「え?マジ?そんなん桜庭から聞いてねーんだけど」



「えっ?紀田さんも知ってるはずだけど……?」



「は!?裕也あいつ許さん」



俊くんがムスッとした顔してる……。
可愛い……。


本当にすごい事だと思う。
私は声優として、俊くんは
シナリオライターとして
夢への第1歩を踏み出した。


「着いた、降りるよ」



いまだにブスくれてる俊くんの
手を引いて電車を降りると改札を出る。



そこから中華街まで2人で歩くと
そこには初めての世界が広がっていたーーー。


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「俊くん!私あれ食べたい!」


「お!いいね小籠包」


博多から上京してきた私にとって
関東は本当に未知の世界で


今までは、どっかに出かける気にもならず
東京のそれなりのアパートでただ毎日を
腐ったように過ごしていた気がする……



いや、もちろん夢に関しては
真面目に取り組んでいたけれど。
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