陽だまり笑顔の君に
「そ、それは……」
言葉に詰まる私を冷めた目で
見下ろす那桜兄
それを言われたら私は
もう何も言えなくなる……
「あの時確かに俺たち離れ離れになったけど……俺一言も別れようなんて言ってないよな?」
ドクンドクンドクンドクン
やめてやめてやめてやめて
やめてやめてやめてやめて
言わないで……それ以上
俊くんの前で……そんなの
知られたら……
「お前の初めては全部俺だった、キスもSEXも。言っとくけど……俺は別れたつもりないからな。お前だけ他の男と幸せになるなんて絶対許さねえから」
身体の震えが止まらない
今、後ろにいる俊くんが
どんな表情をしているのか
見るのが怖い……
知られたく無かった……
だって……兄妹でなんて……
普通じゃないって……
そんなの本当は最初からわかってた。
そうよ……私は汚れてるのよ
禁断の罪を犯してるんだもの
尋常じゃない心拍数に冷や汗と震え
「菜々!行くぞ」
突然、俊くんに手を引かれ
その場から逃げるように立ち去るーー。
そこから先の事はもう記憶に無かった。
どうやってアパートまで帰ってきたのか
俊くんが何を言っていたか……
何故、私は今部屋に一人でいるのか
何もかもがわからない……
ただ、1つ言えるのは、、、
もう私は俊くんと一緒には
いられないってことだけーーーーーー。