陽だまり笑顔の君に



*那桜side*



俺の脅しに、脅迫概念に怯え震える
菜々の姿を見て、それが嬉しくて仕方ない。



それでいいんだよ菜々


そのまま、ずっと俺だけしか……
俺の事だけ考えて悩み苦しめばいい


俺は、あの日からずっといつだって
君が不幸であることしか願ってない。



君が不幸であればあるほど
君の中に俺がいる証拠だから。



菜々とあいつが消え去ったあと



「…………くん……。なーくんっ!!」



ふいに名前を呼ばれ
隣に萌佳がいた事を思い出す。



完全に忘れてたそいつを
冷めた目で見下ろすと
ビクッと肩を揺らす



本当、容姿だけは菜々にそっくりだ。



「まだいたの。空気読んで帰れよ」



「ーーっ……。」


傷ついたような顔をする萌佳に
苛立ちしか募らない

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