陽だまり笑顔の君に



「何?さっきの聞いて怖気付いた?それ知ってて俺の交換条件のんだんじゃないの?」



「そ、それはそうだけど」



「だけど何?俺の彼女になるかわりに、お前は俺の1番にはなれないよって言ったよな?だから、これ以上……菜々とのことにあれこれ口出ししようとするな。守れないなら別れるから」



「い、嫌……。それだけは……!!もう何も言わないから!!」



泣いて懇願する萌佳に
心底うんざりする。



傍から見たら俺は間違いなく
最低人間だろうな……



菜々と離れ離れになってから
いつも付き合う人は菜々に
良く似た黒髪ロングの女性ばかり



最初は偶然だと思ってた。
だけど偶然で片付けるには
あまりにも異質すぎた。



そしてその時悟った……



俺にはやっぱり菜々しか愛せないと。



そっから先は菜々に似た人を探しては
付き合って抱いて切り捨てての繰り返し……



萌佳は、その過程で出会った
容姿だけは菜々にそっくりな女。



だけどわりと後悔してる。



後腐れなく楽な女とだけって
思ってたのに判断ミスって
死ぬほど重い女と付き合って
しまった…………



もちろんうざいし面倒いから
即、別れようとしたんだけど
泣いて喚くから、それもウザくて
最終的に出したのがさっきの交換条件。



いや、てか萌佳の事なんて今は
どうだっていいんだよ



問題は菜々の隣にいる
あいつをどうするかだ……。


*那桜side END*
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