陽だまり笑顔の君に
「はー、好き」
ギューッと思い切り抱きしめ
菜々の肩に頬を乗せる
「俊……苦しい。というか学校行かないと」
菜々は照れくさそうに笑うと
突然無慈悲な現実を突きつけてくる
学校なぁ……
まあ、裕也も俺たちのこと
心配してたし近況報告しに行くか。
「おう」
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支度を整えると2人で
菜々の部屋を出る
「私情で学校サボりすぎた……今日から頑張らないと」
鍵を閉めながら落胆気味に話す菜々に
「俺も新しいシナリオ考えないとなー。一緒に頑張ろうぜ」
励ましの意味でそう答えると
菜々は「ええ」と笑顔を見せたーーー。
「……え、俊?」
その瞬間、右隣から
俺を呼ぶ声をが聞こえた……。
その人物の方へ目をやって
そして驚愕する
「美波……」
白浜 美波(しらはま みなみ)
俺の亡き元恋人の姉だ。
「俊……まさか……」
「菜々行くぞ……」
余計な事を口走ろうとする
美波をスルーして菜々を連れて
アパートの階段を駆け下りる。
なんでアイツが今更ここに……?
もう俺は二度と関わりたくないのに。
「俊、あの人……何か言ってたけど無視して良かったの?」
何も知らない菜々が
アパートの階段を振り返り
心配そうに見つめる
「大丈夫。あの人もう俺には関係ないから」
「そ、そう?」
納得してるのかしてないのか分からない
微妙な面持ちの菜々と駅前で分かれ
それぞれのホームへ降りる
なんなんだこの動悸……
明らかに動揺しているその部分を
右手でぐしゃっと掴む……。
大丈夫だ落ち着け……
もう過ぎた話だ。
思い出すなーーーーー
あの事故の日の事をーーーーー。