陽だまり笑顔の君に
「あれ!?ここどこ!?俺確か…」
「ここは私の部屋ですよ」
彼の目の前にマグカップを差し出すと
条件反射のようにそれを受け取る
「あ、ありがとう…ございます」
「なんか顔色良くないですけど大丈夫ですか?さっきだってアパートの前で倒れ込んでたし…」
「ハッ…そうだ!バイト帰りに腹減りすぎて力尽きて倒れたんだった!!」
急に何かを思い出したかのように
慌て出すこの人は一体なんなのだろう?
「ここのアパートの方ですか?とりあえずそれ飲んだら帰って…」
グゥゥゥゥ~~~
私の言葉を遮り彼の腹の虫が
豪快に鳴り響く…
唖然とする私に彼はアハハと
恥ずかしそうに笑ったーーー。
ーーーーーーーーーーー
「ここのアパートの方ですか?」
「そうですよー!」
私が作ったご飯を美味しそうに
食べながら返事をする
「それ食べ終わったら帰ってくださいね」
「分かってますって!あ、名前教えて下さいよ!」
「名前…何でですか?」
唐突に名前を聞かれ
返事につまる私
こんな得体の知れない人間に
名前など教えてしまっていいのだろうか…
いや、そもそも家に入れて
ご馳走してる時点でもういろいろ…
私がひっきりなしにいろいろな
考えを渦巻かせてる中で
「今度お礼がしたいからです!」
彼は笑顔でそう言ったーーーーー。